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市民ジャーナルは、ローカルな現場の当事者の視点からグローバルな普遍性を論じようとするものです。皆さんの投稿をお待ちしています。 sj17417@yahoo.co.jp
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建設業改革論
―業界の明日を開くために―

談合による生活者の損失は約3兆円に上ります,談合防止には、「ゼネコン悪玉諭」で独占禁止法を改正して摘発や罰則を厳しくしても、たいして有効ではありません、総合評価制度も筋違いでしょう、問題の鍵は、発注者側が握っています。入札制度の改革、例えば、必ずしも最安値に発注しないと表明して落札価格を公表しない、といったちょっとした工夫で談合はなくなります。こうした入札制度改革をしないのは、あきらかに行政の不作為です建設業界としても、談合利益をアテにしていては、長期的にはPFIなど新たな成長機会を失いますし、いまのままでは行政も財政破綻して元も子もなくなります業界としても、こうした入札制度の改革に積極的に貢献すべき時機でしょう,

合は急に止まらない
名古屋市発注の地下鉄工事をめぐる談合事件で、公正取引委員会は2007年1月24日、独占禁止法違反の容疑で大手ゼネコンの清水建設、鹿島、大林組の名古屋支店を強制捜査し、ゼネコンに談合との決別を強く促しました。しかし、その陵の日本弁護士連合会のアンケート調査によれば、2007年度上半期の入札でも自治体工事の58.9%が90%以上の高落札率と報告されています。事件直後でも談合はなかなかなくなりません。

2007年の建設投資のうち政府部門は17.2兆円、その58.9‰が談合で、もし長野県の事例のように予定価格の73.1%になるとすれば、毎年.2.7兆円も生活者が損している勘定です。国の歳出でも、公共次行予算6.9兆円、文教・科学振興予算が3兆円、防衛予算が4.8兆円、歳人でも消費税が10,6兆円ですから、大変な損失規模でしょう。

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合が成り立つ条件
 この談合は、全員を代表して応札するメンバーをひとりだけ選ぶような入礼者の組織、と定義され、ゲーム理論でさかんに研究されています。談合が可能で、人礼が繰り返され、予定価格がわかる場合では、落札予定者だけが予定価格、ほかはそれ以上の価格を入札すれば入札名の集団は、入札による利益をすべて得ること。落札後、落札者が他の入札者にこの利益を金銭で分けられなければ、ローテーションで受注調整する方式がとられること、こうした実態さながらのゲーム状態が解明されています。
そして、こうした談合がうまく働くには、
?当初の合意が実際に守られる、つまり抜け駆けが起きない
?話し合いができる、したがって外部から新しく最適入礼者が入らない
?メンバー間の利益配分に不満がない
?談合による利益が、摘発や制裁の予想リスクより大きい
といった条件が欠かせないことがわかっています。

本の入札制度は談合誘発型
こうしてみると、日本の公共入札は談合が実にうまく鋤く制度になっています。

?抜け駆けに報復:発注者側は最安値を選ぶ前提ですし、落札価格も公開するので、抜け駆けはメンバーにはすぐにわかります。抜け駆けへの報復には、日本特有の「工事完成保証人制度」が活用できて、抜け駆けした業者は次回からメンバーが工事保証人を引き受けないという仕打ちを受けます。

?外部を締め出し:外部からの新規参入を防ぐのに、「指名競争入札制度」が実に効果的です。発注者側が、わざわざ地元経済の活性化といって地元の業者に限定したり、工事品質の確保として大手に絞ったりすれば、外部からは新しい最適入礼者は参加できません。通常指名競争入札では10社程度に抑えられ、お互いに顔なじみです。これではまるで、話し合いをしてください、というようです。

?予定価格で算段:談合がなければ、工法や段取りなどでコスト優位な業者が、必要コストに適正利益を乗せた入札価格で落札します。もしフノレ稼働でも入札案件5件に1件が受注の上限なら、単独期待利益はざっとその5分の1です。このコスト優位な業者にとって、抜け駆けより談合が得になる場合とは、談合期待利益、つまり予定価格からコストを引いた談合総利益を順番が圭わってくるまでの頭数で割った額、が単独期待利益より大きいときになります。仮にコスト優位な業者の適正利益率が12%、企業規模から5件に1件受けるのが上限なら単独期待利益率は2.4%です。長野県の事例ですが、入札改革を行う前(2001年)の建設工事の落札率が97.4%、2003年には73.1%です。ちなみに委託業務では、2003年は52.3‰でした。この建設工事の数値で試算すると、メンバーが10社のときは期待談合利益は2.69%です。そうなると談合した方が有利となります。こうしてみると「予定価格」が実勢価格よりかなり上回って設定されているのは問題です。

?ばれるリスクは小:これまでの談合の摘発率は、ある試算では0.4%に過ぎません。罰則のうち課徴金は、独占禁止法改正前では大企業製造業が売上の6%、中小企業は3%、平均は数千万円です。また罰金も300万円以下でした。一応、個人にも刑事罰はありますが、すべて執行猶予付きでした。指名停止期間も9ヵ月です。そこで従来の摘発・制裁のリスクを、課徴金の期待値で試算すると、0.4%×数千万円=約10万円、とちょっとした接待費用程度です。指名停止期間をしのげれば、金銭的には痛くない程度です。

 このように検討してみると、日本の入札関連制度は、まさに談合の温床です。入礼者にモラノレを求めるのも結構ですが、会社の存続がかかればやむを得ず、となるのは目に見えています。談合が摘発されるとゼネコンだけが悪者にされがちですが、本当は談合をわざわざ招くような制度自体に病根があるわけです。

ネコン悪玉論の限界?独占禁止法改正の効果は期待薄
今回の独占禁止法の改正も、入札メンバーには多少リスクが増えるくらいで、抜本的な談合防止には至らないでしょう。改正後の課徴金が大企業の場合10%、の再犯は15%、中小企業は4%。再犯で6%という2倍ほど高くなります。また罰金改正後は3僚円以下と上積みされます。お停止期間は12ヵ月になり、以前から3カ月の延長です。

 しかし摘発率が0.4%のままであれば、摘発・制裁による損失が5倍になったとして金額で50万円相当とこれも大きい額になりません。談合しても滅多にばれない、罰金・課徴金が1僚円前後になっても財務的に余裕がある、となると談合しない方が損にみえます。社会的な信用を失うことを考慮しなければ、想定内ではないでしょうか。
 そこで摘発率を上げようとすると、公正引委員会等の監視スタッフを大幅に増員して、日夜、談合の疑いのある案件を調査するという方向に走りがちです。しかし、談合手口がより巧妙になるだけのいたちごっこすし、監視のためにまた官僚組織が肥大化その人件費や諸経費も馬鹿にならない額になります。
 このように考えれば、独占禁止法の改正も「?ばれるリスクは小」に焦点をあてただけで、談合防止の切り札としては期待できません。「ゼネコン悪玉論」を背景にして、逆に監視組織にかかわる役人の権益が増えるだけ、と懸念されます。全体を考える立場としては、そんな後ろ向きの対策費にお金をかけるより、もっといい方法を探すべきです。総合評価制度については、???のどれに働かず、談合防止には筋違いもいいとこです。

合防止策は難しくない―行政の不作為
本当の談合対策は、実は難しくありません。発注者側が入札制度を工夫して、談合が成立つ条件を潰せばいいわけです。
例えば、「?抜け駆け」自体をわからなくする方法。実際に、発注者が「一番安値の業者以外も落札しうる、落札価格を公表しない」とした例があります。この場合、談合で決めた業者以外が落札しても、一番安値でなくて落札したのか、この業者が裏切って申し合わせより安値で落札したのか、がわからなくなります。落札業者も「一番札ではないが、運がよかった」と言い訳ができます。結果としてお互い疑心暗鬼になって談合はできなくなりました。まだ「報復」をなくすために、工事保証人制度を廃止して、保険制度にりり持えるのも有効です。
「?外部締め出し」には、地元業者に限らず、積極的に外部業者を入札に参加させることです。横須賀市では、以前は指名業者9社でしたが、市内や市に登録した業者なら誰でも参加できる一般競争入札にして、人気案件では50社以上の業者が参加するようになりました

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さらに発注情報はインターネット、入札は郵便を利用し、業者同士が顔を背わせる機会をなくします。これで落札額も、改革前までは予定価格の96?100‰だったのが、99年には83.75%に落ちて、43万人の人口で40億円近く浮かせています。
「?予定価格で算段」には、予定価格を公表しなければ済みます,また?とも関連しますが、入札参加業者を海外を含めて多数募れば、頭割りの利益が少なくなるので、談合崩しには有効です。このように、ちょっとした工夫で談合がなくせるのに、明治維新以来ほとんど入札制度に手をつけていないというのは、まさに「行政の不作為|としかいいようがありません。

合は、誰の利益になるのか
生活者には、談合は日本全休で約3兆円と大きなマイナスをもたらします。談合がなければ、最適入札者が落札して、予定価恪より割安の利益は、最終的には納税者の利益になります。同じ橋や道路をつくるのに、何十億円、何百億円と安くなれば、その分、教育や医療など他の公共サービスに割り振られますし、納税額が安くもなるでしょう。
ところか, 談合が横行すると、最終的には生活者が受け取るべき利益が、入札メンバーにそっくり移転することになります,予定価格と必要コストとの差益は、もともと取り決めたようにローテーションの形でメンバー間の山分けです。
直接の発注者、つまり公共部門が談合で利益を得る点も問題です。官僚組織としては仕事に変化がない方がラクです。談合防止に新たな試みを行うことで、オークション理論を研究したり工夫したりと余分な労力をかけなくてもいいし、なにより地元業者や地元議員の反対運動に忙殺されずに済みます。予定価格どおりに落札されれば、公共事変の予算消化も順調です。逆に、落札額が大きく下回ると、来年度の自分の部署の予算が削減されて、肩身も狭く感じるくらいです。また予定価格や入礼者情報を流す見返りニ、天下り先が守られて、賄賂や贅沢な接待を得るのも役得です。

 以上のように、談合が続くことは、生活者には大きなマイナスですが、短期的には入札メンバーにはプラス、官僚組織にもプラスです。生活者側が、談合防止を掲げる候補者に投票したり、損害賠償請求したりすれば事態は変わります。しかし、そこまでの関心がなければ、直接の発注者と受注者である入札グループの短間的な利益が優先される「共犯関係」が固まって、なかなか談合誘発型の入札制度は変わらないわけです、

 しかし長い目でみれば正反対です。入札メンバーにしても、実は新たな事業機会や成長分野を失っています。最適入札者にとっては、適正利益をあげて、多能工化など施工技術をより効率的で品質を良くする機会を得られたはずです。談合利益がアテにならなければ、ほかの入札メンバーも、例えば商業施設、病院、寺社、リフォームなど得意分野に絞り、そこで高いシヱアと利益を確保できたでしょう。思いきってPFI主体に業態を転換し、例えば、美術館やコンベンションセンターについて、建設だけでなく効率的に運営委託を受けられる体制をつくり、BOT方式で全国展開する、と新たに成長する会社も考えられます。

 また官僚組織にとっても、近い将来、自治体や国家の財政が破綻し、職員が大幅にリストラされることにもなったら大きなマイナスです。それに夕張市のようになる前に、改革派の首長が当選して、公共事業予算がばっさりと削減されるのも目にみえています。

長い目で考えれば、結局、談合は誰のためにもなりません。年3兆円もの無駄金をなくすために、ここは建設業界としても入札制度の改革に一肌脱ぐときではないでしょうか。


〈うわさのMBA〉
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