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「儲かればそれでいいのか」その1、ウォルマート化
20070201160131.jpg


 経済のグローバル化問題をテーマにした面白い本を見つけた。
本のタイトルは「儲かれば、それでいいのか―グローバリズムの本質と地域力」。
 執筆者は、福井県立大学大学院経済・経営学研究科教授・本山美彦さん、農民作家・山下惣一さんら5人の識者。環境・持続社会研究センターから昨年4月に発行された。
 第1章の「ウォルマート化する日本」は、世界一でアメリカ最大のスーパー・ウォルマートの経営方針が、アメリカ全体の労働環境を悪化させ、地域経済を落ち込ませていることを豊富な事例を交えながら明らかにするとともに、アメリカ経済の内幕を暴露、経済のグローバル化がもたらす弊害について書かれている。
 同書によると、ウォルマートの従業員のほとんどがパートで、医療保険の加入率は4割を切る(アメリカ企業の平均加入率は6割)。しかも、低所得者対象の公的医療保険を利用する従業員が大多数を占める。
労働組合を認めず、サービス残業の強制などでコストを削減しながら店舗を展開。販売担当者の年収は、3人家族世帯の貧困ラインの年収を下回るという。
 各店舗では、従業員にフードスタンプ(食料配給制度)と生活保護を自治体に申請するよう指導。こうしたやり方が州財政を圧迫しているとのことだ。
 従業員の給料は車も買えないほどの最低ラインに抑え、不足分は公的制度を利用させて売上を伸ばしてきたのがウォルマートのやり方で、労働者を人間として扱わない徹底したコスト削減を著者は「ウォルマート化」と名づけている。
 アメリカの医療制度には、日本のような健康保険制度がなく、保険料の値上がりや失業などで無保険者が急速に増大している。
 賃金労働者の多くは、勤務先の企業が一定額を保険料を負担して民間の医療保険に加入。雇用主の負担率はまちまちで、負担割合は労働協定で決められる。
 一般の初診料は150ドル?300ドル(約1万7500円?3万5000円)、専門医になると500ドル(約5万8500円)。脳卒中で10日入院すると、手術代を含めて25万7000ドル(約3000万円)の医療費がかかる。
 保険料が高いため、多くの企業は保険料の負担が競争力の妨げになっていると考えている。
 また、労働者は、収入の道が途絶えると、借金しなければならなくなる。
 自己破産の約半分は、高額な医療費の支払いが原因。病気が原因で自己破産した人の大半は中産階級で、しかも、医療費保険の加入者という。
 メリーランド州では、公的保険を利用させるウォルマートを標的に、医療費補助の低い企業の新規出店は認めないという法案を作成し、州議会を通過させた。
 ウォルマートが小売業界を席巻する以前は、食品スーパーの労働者の年収は2万5000ドルから3万ドル、医療保険は会社が負担、従業員の多くは組合に加盟し、そこそこの暮らしが保証されていた。
 ウォルマートの進出で売上が落ちた南カリフォルニアの既存スーパー3社は、労働者側に賃金引下げ、医療保険料の負担増を要求。労働組合は貧困層に転落するとして反発、141日の長期に及ぶストライキを断行。 上部組織からは団体交渉の専門家が送られてくるなど、組織的な取り組みで対抗したが、最終的には経営者側の要求を大幅に飲むことで妥結したという。
 国際食品商業労組によると、1992年以降、ウォルマートの進出で閉鎖に追い込まれたスーパーは1万3000店を超え、カリフォルニア州を中心に営業していたレイリーは18店舗全てを閉鎖、1400人が失業した。
 アメリカでは、サービス産業を中心にパート雇用を増やし、医療保険や年金は基本的に負担しないウォルマート化する企業が増えつつある。
ウォルマート化は何もアメリカ国内だけでなく、日本でもその影響が現れている。
 派遣社員が導入された当初は、一定の技術者に限られていたのが、職種が撤廃され、今や派遣労働者は使い捨てと化し、人間として、職業人としての成長が阻害され、格差社会の要因にもなっている。
 残業代ゼロ法案として悪名高いホワイトカラーエグゼンプションは、経済のグローバル化に対抗する手段として選挙後の2008年、国会に上程される予定とのことだ。
 この法案が通ると企業は、対象従業員に残業代、休日出勤の割増賃金を支払わなくてすみ、健康を管理する義務もないというから、これまで以上に弱肉強食の世界が広がり、過労死、うつ病による自殺者の増加が予測される。
 一部の企業に多大な利益をもたらすだけの、このきちがいじみた競争は、どこまで続くのだろうか。
 もっぱら消費の対象となっている私たちに、対抗する手段はあるのだろうか。次回は経済至上主義の中で、健やかなる生活を取り戻すために一体何ができるのか、農民作家・山下惣一さんの考えから探りたい。
                           (草子)
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